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「買う店舗」から「過ごす店舗」へ

本セミナーでは、伊東屋様の店舗イノベーションについてお話していただき、今一度皆様が店舗のあり方を一緒に考えていけるような内容で開催いたしました。

  • 伊東屋とは
    1904年(明治37年)、創業者の伊藤勝太郎は、新しい時代の到来とともに日本に紹介されはじめた文房具と出会いました。文房具を通じて、西洋風の効率的な仕事の仕方、未来の日本を感じ、できるだけ多くの人々に紹介したいと、銀座に店を出しました。そうしてできた伊東屋で、お客様は見たこともなかったモノ「文房具」に触れ、時代の変化や未来に向けての展望などを感じたことでしょう。
    以来、私たちは勝太郎の描いた夢を、時代に合わせて形にしてきました。いつの時代にも”一歩先の新しい価値”をお伝えする、文房具の専門店です。
  • 伊東屋らしさとは
    店舗をつくる上で根本となっているのは"伊東屋らしさ"です。伊東屋らしさとは、クリエイティブな時をより美しく心地よくする「Mission」新しい発見、使い続けられる商品づくり、人との対等な関係などを大切にする「Value」毎日心地よく、笑顔になれて新たなインスピレーションが得られる店にする「Vision」の3つから成り立っていると考えています。
  • 小売業の現状と課題
    時間や場所を問わずに買い物ができるネットショップの台頭、固定費の高さをカバーできないといった課題は確かに存在しています。しかし、情報を発信する「メディア」であったネットはものを買う「店舗」として、商品を買う場所である実店舗は情報を伝える「メディア」としてそれぞれの立場が変わっていくのではないかという予想もできます。
  • 銀座 伊東屋のイノベーション
    生き残っていくためのリニューアルにあたって、従来のイメージから脱却するもの、継続するものを二つに分けました。品揃えが豊富だというイメージはネットショップには勝てないので脱却し、センスや品質の良い商品があったり、困ったときに助けてくれる接客の姿勢を維持していこうと考えました。イノベーションのメインコンセプトは「"買う店舗"から"過ごす店舗"へ」、それ以外に「クリエイティブに過ごす人のサポート」、「自分の場所、心地よい空間の提供」です。それらのコンセプトを実現するために、光と自然を感じられる過ごしやすい空間、ワンフロア全体を使った働く場所の提供、働く人を体の中からサポートする健康な食事、テーマごとに商品を集めて陳列するフロア構成といったコンテンツを作りました。
  • 新型コロナ感染拡大による影響と伊東屋のマーケティング戦略の見直し
    感染の拡大によって店舗の来店者数と売上の大幅な減少がありましたが、それだけでなく街への買い物の減少や必要なものはネットショップで買うようになるといった消費者の価値観も変化していると感じました。リモートワークの定着によって、より個人の嗜好性の高い文房具が選ばれるようになった点は大きいと思います。伊東屋としても、来店機会が減ることで伊東屋を知る機会も減少し、集客力の低下に繋がりました。そこで、認知、集客をどうするかという点を考えてマーケティング戦略の見直しを図りました。オリジナル商品に興味があるお客様をターゲットとしたSNSマーケティングを強化したところ実店舗への人の流入が増加し、伊東屋の世界観・価値観 / センスを表現したクリエイティブな見せ方をするほどお客様の関心が増し売上に繋がるようになりました。
  • 最後に
    伊東屋は文房具屋ではなく、「エンターテインメント」であるということを意識するようになってきています。様々な形で人を喜ばせることがエンターテインメントであり、それを実現するのが私たちであると考えています。人を楽しませることとは何かを日々考えながら色々なビジネスをしています。

インタビュー動画2022年7月撮影(肩書は当時のものです)

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